2016年5月14日土曜日

健軍情報55-片付けられない

熊本で挨拶のように交わしあうセリフが「片付けられない」。
これは、建ち残っている建物が多い今回の震災に
特徴的なセリフではないかと思います。
そもそも、片付ける気がなかなか起きないのです。

ひとつには、まだ調査が継続中であるにもかかわらず、
赤紙、黄紙で立ち残っている家が、
阪神淡路の時よりも、東日本の時よりも、はるかに多いという事実。
片付ける物自体がもはやない、というわけではないことは、
ありがたいことではあるのですが、
「片付けられない」が故に、なかなか事柄が前にはすすまないのです。
もうひとつは、最初の地震が来てせっかく片付けたのに、
次の本震で、さらにめちゃくちゃにされてしまって、
もう片付ける気持ちが折れてしまっている。
わたしの牧師室もこのケースで、前震の後、金曜日まる1日かけて、
かなり「頑張って」ほとんど震災前の状況まで「片付けた」・・・。
にもかかわらず、本震でふたたびご覧のありさま。
いつまた余震があるかもわからない中で、
なかなか本棚に本を詰めていく気持ちにならないのです。
本震の後、息子にバイト代を支払って、ここまで片付けてもらったのですが、
その後がまったくすすんでいません。
この際少し本を減らさなければならないことはわかっているのですが、
処分する本を峻別して、
本棚を組み立てて、転倒防止の処置をして、
そこに再度本を詰めていく。
そこまでの道のりが、はるか遠くに感じられて、なかなか手が付きません。
文字通り「片付けられない」のです。
まぁ、そうはいっても、もう前震から1ヶ月ですし、
すでに牧師の業務にも、いろいろと差し障りがあるのです。
 
さらに、多くの人たちが「片付けられない」理由は、
建物に赤紙や黄紙が貼られていて、余震が続く中で、
中に入って片付ける勇気が湧いてこない。
そしてこの間、雨ばかりでしたから、気持ちも前にすすまなかったのです。

たくさんのボランティアさんが入って下さって、
「手伝いましょうか」と、声をかけてくださっても、
多くの方が「いや、自分でやるから大丈夫です」、と応えられます。
「ひとの世話にならずとも、自分で出来る」、と思っているにもかかわらず、
G.W.開けから仕事や学校も始まって、
なかなか片付けが進まない方は、少なくないと思います。
 
わたしの本棚も、いつ本が入ることになるかわかりませんが、
今一度、「できたしこで」との基本方針を確認しつつ、
その時が満ちるのを待っているところです。
 
なお、今日、訪問した神水教会の集会室には、
「片付け」の道具が、集積されています。
ぞうきん、タオル(新品・中古)、軍手、ゴム付軍手、ゴム長靴(24cm 27cm)、
マスク、ポリ袋、ほうき、ちりとり。
また、その他にもおむつや食料品なども備えてありますから、
神水教会の集会室の利用再開のためにも、積極的にご利用ください。





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